こんにちは、みほーりーです!
みなさんは、「レント(RENT)」というミュージカルを知っていますか?
私はミュージカルを観るのが大好きですが、そもそも大人になってからミュージカルを観るきっかけになったのもRENTという作品でした。
これまでの人生で、時間を置きながら何度かRENTを観る機会がありましたが、その度に自分の意識の変化を実感したり、社会についての課題など、たくさんのことを考えさせてくれています。
この記事では、そんなRENTというミュージカルについて、みほーりーが感じていることを紹介させて頂きます。是非、多くの人もRENTを見る機会を持っていただけたらいいなと思います。
RENTって、どんな作品?
RENTは、ジョコモ・プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」のストーリーを基にボヘミア文化を現代版に描いています。
1996年にオフブロードウェイで初上映され大ヒットし、そのまま同年ブロードウェイに舞台を移し、そこから現在まで、ロングランで大人気なミュージカルの演目となっています。
ミュージカルの舞台は、1989年12月24日のニューヨークのイーストビレッジでの一年間の物語。古いビルに住むシンガーソングライターのロジャーとビデオカメラマンのマークは、家賃(RENT)も払えずにいましたが、家主のベニーから滞納を続けるようなら、退去するように命じられます。
彼らのもとに、大学講師のコリンズとその恋人となるエンジェル(女装したゲイ)、アーティストでマークの元カノのモーリーンとその現彼女のジョアン、そしてロジャーと惹かれ合うダンサーのミミ、等の個性的なメンバーが集います。
ドラッグ・エイズ・貧困・同性愛という社会的な葛藤の中で、各登場人物たちは夢を持ちながらも、厳しい現実に直面し、苦しみながら日々を過ごしています。
時には救われずに悲劇になってしまうことはありますが、そんな状況下でも、仲間が互いに助け合い、悲しみや苦しみを乗り越えて成長していくストーリーです。
RENTとの出会い
気軽に観に行く機会の多い映画と違って、ミュージカルを観るきっかけって人によって様々だと思います。
私がRENTについて初めて知ったのは、大学生の頃。
学校祭でコーラス部の発表会を見に行った時に、ちょうどRENTのテーマ曲でもある「SEASONS OF LOVE」を歌っていて、そのメロディーと歌詞に強くひき込まれて、興味を持ったのが最初の印象です。
その時は音楽に惹かれていたものの、特にミュージカルを観ようということまでは、考えていませんでした。
ただ大学3年の夏休み、思いがけずRENTを観るチャンスが巡ってくることになりました!
ニューヨークブロードウェイで初めて観劇
大学3年の長期休みを利用してアメリカへ旅行に行った時のことです。旅の目的地の一つがニューヨークだったので、それならどうしてもやりたかったブロードウェイでのミュージカル観劇をすることにしました。
RENTを観るために挑戦できるLOTTERY TICKETS
さぁ、ミュージカル!とはいっても学生なので、そんなにお金をもっているわけでもなく、なるべく安く観れるチケットを探します。
そんな中、どうやらRENTは毎回最前2列はなんと20ドルで開場の二時間前に抽選で販売しているという情報を入手!(Lottery ticketsと言います。日本ではエンジェルシートと言うみたい。)
早速申し込みをしたあとに、時間になったら劇場へ抽選に参加しに向かいました。(申し込みといっても、チラシを破って細かくした紙切れに鉛筆で 自分の名前を書いたくらい)抽選箱をもったスタッフのおじさんがでてきて、その場で当選番号と名前を順番に呼び上げます。
一人ずつ呼ばれるのをドキドキしながら、待っていたところ。。
「No. 21, Miholly!」
と呼ばれ、私じゃん!と驚きながら「はーい、私です!」と手をあげ、スペシャルなチケットを入手しました。
最前列ですと、通常販売価格は120ドル。
それが、僅か20ドルで観れる!
RENTというミュージカルのテーマにも関連しますが、敷居の高いミュージカルでも、大人でも、子供、学生でも誰もが観劇できる機会を提供してくれている。そんな姿勢に私はとっても感動したのをよく覚えています!
素晴らしさを実感しつつ、実は最初は全て理解できなかった
そんなLOTTERY TICKETSを握りしめ、初めて本場のブロードウェイでRENTを観劇しました。SEASONS OF LOVE以外にも次々と展開される名曲の数々に私は聞き入っていました。
ただ、あらすじは英語のパンフレットで書かれていた文章のみの理解で臨みましたが、実は英語を聞いていても、歌いながら早口で展開される細かなやりとりには、残念ながら初見ではついていくことができず。(その時は、今見たいにスマホでサクッとググることができない時代・・・笑)
初めてのブロードウェイはとっても感激したものの、RENTについてはちょっと消化不良に終わってしまったというのが正直なところでした。
RENTでのテーマとしての取り上げられることについても、当時の私としては意識がそこまで高くなかったことも影響しているかもしれません。
10年後、再度観直した印象
そこから10年後のちょうど先日ですが、久しぶりにRENTの映画版を観ました。(今度はちゃんと字幕付き!VODで簡単に観れるし便利。)
毎日を必死にいきていくための葛藤、各シーンのキャラクターたちのぶつかり合い、曲だけでなく歌われる歌詞の魅力など、初めてミュージカルを観た時と比べると何重にも心打たれたような気分になりました。
多様性・社会問題への問題意識
丁度、先日にこのブログの記事でも書いたように、多様性についての関心が高まっていたということもあるかもしれません。
これから多様性がある社会になることと考えると、貧困・エイズ・同性愛・などの社会的テーマに対して無関心でいることはできません。そんな意識があったことも、RENTという作品への感じ方が変わった要因だったと思います。
これを関連すると、私が幼少期に通っていたインターナショナルスクールという教育現場は、今、日本から考えると驚きますが、学校で普通にドラッグ、エイズ など社会的テーマについて授業で教えていました。
依存性を克服してNPOコミュニティーで支援活動している方のインタビューを聞いたりする機会もありました。そして、期末にはちゃんとテストもあります。こういう知識があった上でRENTを観ると、更にリアリティーが伝わってきます。
これと同時に考えるのは、こういうテーマって、日本だと大っぴらに教えられるか?といってもなかなか難しいところがありますよね。
みんな教育がされた方が良いのか、あえて教えないほうが社会が保たれるのか。非常に繊細な問題でもあるので、教育側の意識や体制もないとなかなか、簡単に教えられるものではないと思います。
良い意味でも、悪い意味でも、海外の社会問題をあまり感じなくてよい日本。そんなことも考えさせられました。
RENTを観て、「良いミュージカルを見た!」で終わらせない為にも、また多様性を考えるという意味でも、こうした社会問題についての「共感」をすることって大事ではないでしょうか。
今日という日を生きよう
日本で暮らしていて、前述のような社会問題について、毎日考えるわけではないですよね。
でも、RENTではもう1つ、胸に残るメッセージがあります。
RENTで流れるNo Day but Today という歌の中で印象的な歌詞です。
There is no future
There is no past
I live each moment as my last
(中略)
No day but Today
未来も、過去もない。
どの瞬間も最後だと思って生きる。
(中略)
他でもない、今日という日を生きよう。
今はこのフレーズがとても胸に響きます。
学生の時って、その時も大事ですけど、まだ社会人でもないし、就職活動もこれから!っていう時で、やっぱり将来についての夢も広がりますよね。「今」より「将来」です。
みほーりーみたいに、社会人の若手から中堅になりかかってくると、ある程度自分の生活が出来上がっていて、それをどう生きるかということの方が、感心事になっているかな。
先のことを考えつつも、やっぱり色々と現実的な悩みもありながら、「今」をどう生きるかということのメッセージが凄く刺さります。
RENTでは描く登場人物が困難に直面しながらも、その日を精一杯生きていきます。私たちも少しでも、自分を取り囲む出来事に重ね合わせていくことが出来たら良いですよね。
さいごに
改めて、ここで書かせてもらったように、最高の歌とともに今日という日を生きる活力を与えてくれるRENTという作品はほんとに名作だと思います。
是非、RENTも見たことがない方は、一度観てみて自分の感情に触れてみてはいかがでしょうか。すでに見たことがある方も、私がそうだったように、作品に対しての感じ方の変化を楽しむのも良いかもしれません。
主題歌 「SEASON OF LOVE」では、
52万5600分、あなたは一年をどのように計りますか?
と問いかけます。
これに対して、
愛(LOVE)で図るのはどうだろう?
と提案しています。
うーん、私はどうでしょうね。。!?
「経験」や「成長」でしょうか。
毎日、家族で一所懸命頑張って、一年を振り返ったらすごくレベルアップしたな!って思いたいですねー。
皆さんも是非、そんなことも考えてみませんか。
ちなみに私は、最近はRENTのサントラをヘビロテして、余韻に浸ってる毎日ですよ 笑
それでは、また(^^)/